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人口減少社会の未来学
 内田樹編「人口減少社会の未来学」を読んだ。本書は人口減少社会の未来についての11人の識者の考察を収録したものである。冒頭の序論で内田は、先の戦争指導層で見られたように、日本社会には最悪の事態に備えて「リスクヘッジ」をしておくという習慣がなく、そういう予測をすること自体を「敗北主義」として忌避すると言う事実を勘定に入れておかないと、適切なリスク管理はできない、人口減少社会への対処は「後退戦」であり、経済的苦境を自明の与件として受け入れ、そのうえで「低成長」「ゼロ成長」の経済システムをどうやって構築するかについての非情緒的で計量的な知性が必要と述べている。

文筆家の平川は、少子化の直接原因は晩婚化であり、政治が介入することは不可能と断じる。晩婚化の理由は、家族形態が権威主義的な大家族から、英米型の核家族へ移行したこと、および市場化の進展と密接な相関を持っていると主張している。市場化とは無縁化でもあり、人々は家族を含めた有縁の共同体から自ら進んで逃走し、その結果として、権威主義的な直系家族も解体されていった。また、消費社会の進展によって、結婚を損得で考えるというモラルが定着していった。

少子化対策として可能な政策はひとつしかない。それは結婚していなくとも子供が産める環境を作り出すこと以外にはない。婚外子率はフランス、スウェーデンが5割超、ドイツが35%に対し、日本は2.3%、韓国は1.9%である。日本や韓国の少子化対策は、結婚の奨励や子育て支援が中心だが、フランスやスウェーデンでは方向が逆で、法律婚で生まれた子供でなくとも、同等の法的保護や社会的信用が与えられるようにしている。
[2018/09/16 12:22] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)
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政治が右傾化し民主主義が危うくなっている。主権者である国民は、日々政治の動向を監視するとともに、自ら学び、行動する必要がある。本ブログは、それらを実践する場としたい。

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