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新共謀罪の恐怖
 平岡秀夫・海渡雄一著「新共謀罪の恐怖」を読んだ。本書は2000年12月に国連総会で採択された国際組織犯罪防止条約にかこつけて、安倍政権が過去3度も廃案になった共謀罪法案を強行採決するまでの経緯と、成立した共謀罪法の問題点や危険性を詳述したものである。本書によれば、共謀罪法がテロ対策やオリンピック実施に必要不可欠との安倍政権の説明はでたらめであり、真の狙いは反政権の市民活動を常時監視し、必要に応じて逮捕・拘束する法的根拠を整えることにあることがわかる。

国際組織犯罪防止条約では、国内法として共謀罪または結社参加罪が立法されていることが要請されている。欧州は結社参加罪型が多く、米英加は共謀罪型であり、いずれもすでに国内法に立法されている国が多い。当初日本政府は、共謀罪は国内法にそぐわないとして、結社参加罪を採用すべく活動していたが、終盤にアメリカ・カナダとの非公式会議後、突然それまでの活動を無視して共謀罪法を立法するという180度方針転換を行った。これは例のごとくアメリカの圧力に屈したと言わざるを得ない。

そもそも国際組織犯罪防止条約は、経済的利益収奪の国際組織犯罪を取り締まるためのもので、宗教・信条に基づくテロは対象外である。テロ対策に関する国際条約は別に定められており、日本はすべてのテロ対策国際条約を批准しており、国内法も整備されている。また、この国際組織犯罪防止条約には、国内法の原則に従って立法することが謳われており、今回の安倍政権が強行採決したようなこれまでの刑法体系と異質で大規模の改変を伴う「共謀罪法」の立法を要請していない。現国内法で不足する分の最小限の立法追加だけで、国際組織犯罪防止条約の批准は可能である。それにもかかわらず、あえて刑法体系と異質で大規模の改変を伴う「共謀罪法」を強行採決したのは、別の目論みがあるからだ。

安倍政権は、「なんでも秘密法」、「何処でも何時でも戦争法」、「盗聴拡大と司法取引導入」、「誰でも共謀罪法」を強行採決し、次に「憲法改悪」も目論んでいる。これらは明らかに戦時体制を確立するためのものであり、90%以上進捗してきたと言える。アメリカの戦争に参加して、日本国民の命と財産を捧げるのに賛成の人は、ずっと安倍政権を支持すればいいのでは?
[2017/07/18 12:01] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)
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